メルツバッハさんの絵画コレクションはチューリッヒのクンストハウスと言うチューリッヒナンバー1の美術館で新しくフロアができた。彼はユダヤ人で第2世界大戦で、家族が全員アウシュビッツで殺害された生き証人だ。
絵画のコレクターでもあるが、投資を自分でもやっていてたまにオフィスに来たり、今まで数回お食事に行ったりした。

ユダヤ人で食事に制限があると想像しているが、私達が一度彼の希望で一緒に出かけたレストランは、ファミリーでは禁止されている(と思われる)「メツケッテ」。スイスでは秋になると狩の時期になり、鹿肉などを食べる季節だ。そしてその中でも「凄い」のが豚を丸ごと食べる「メツケッテ」だ。豚の耳も鼻も手も尻尾も全部出てくる。豚の血を腸に詰めて茹でたソーセージ。私は恐る恐る手を出した。

コロナの時はレストランが全て閉まっていたので、私がオフィスで何ちゃって日本食を用意してランチミィーティングを何度かした。
ウェーナーさんは、ポケットに何度も折り畳んだ紙を広げてマーケットの話をする。携帯ではなく、ノートではなく、全ては折り畳んだ紙の中にあってショボイ感じがするが、彼のポートフォリオは大きいので高いリスクも取れるゆえ、利益も大きく出る。
景気が悪くて銀行が企業にローンを出さない時期は、自分が企業に少し高い利子で短期ローンを出したりもする。稼いだお金は直ぐに絵画の購入に使ってしまう。それで家にはゴッホとかシャガールとかモネとかのレベルの絵が床にぞんざいに立て掛けてあった。それらは最初は世界ツアーをしてパリとかNYとか東京とかの美術館で展示されたりもした。

ウェルナー・メルツバッハ

30年前、現在95歳のヴェルナーと彼の妻ガブリエル・メルツバッハーさんは、世界中で最も偉大な現代美術コレクションの1つを組み立て始めました。
ドイツの裕福な毛皮商の家族に生まれ育ったガブリエルは、祖父の興味に触れることで芸術との接点を持ちました。世界中を旅し、彼女の家族はチューリッヒに定住し、祖父のベルンハルト・マイヤーが現代絵画を購入し、最高品質の傑作を集めた小さなコレクションを組み立て始めました。第二次世界大戦が勃発した後、一部の作品を残して売却する必要があったため、彼らはアメリカ合衆国に移住しました。しかし、コアコレクションは彼らとともに旅し、最終的に第二次世界大戦後にスイスに戻りました。このコアコレクションの一部を相続したことで、メルツバッハー夫妻は自分たちのコレクションにおける優れた基準を提供されました。
メルツバッハ

ウェルナー・メルツバッハー自身もドイツで生まれましたが、両親によって戦争が勃発する直前にスイスに送られました。彼はスイスで10年間育ち、学び、1949年にアメリカ合衆国に移住し、2年後にガブリエルと結婚しました。軍での兵役を終えた後、彼はニューヨークの毛皮市場に進出し、Mayer&HoffmannおよびMax Pick, Inc.の企業のパートナーとして活動しました。1964年に彼らはスイスに戻り、ウェルナーは国際毛皮取引会社Mayer and Cie AGの唯一の所有者となりました。

ガブリエルの祖父からの相続財産に加えて、彼らのドイツ表現主義とロシアの前衛芸術展への関心が、彼ら自身の美術コレクションの基盤を築きました。数年にわたり、モネやセザンヌなどの印象派時代の作家、そして後期印象派時代のヴァン・ゴッホやピカソなどの印象的な絵画を多数集めました。チューリッヒ美術館との協力のもと、65点の選りすぐりの絵画が最低20年間の期間でコミットされました。最近オープンしたチューリッヒ美術館の拡張部分では、モネ、ヴァン・ゴッホ、ピカソによる傑作で魅了されます。

メルツバッハ
機会があれば日本から来る方々をご案内する事もあります。2023年の11月ご本人が出てこられると良かったのですが、20名の企業オーナー達が日本からいらした際は、前から決まっていた病院の検査の時間と丁度、重なってしまい、お会いする事が叶いませんでした。
今年またお会いして色々お話しをしたいと思っています。

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